2011年03月15日

ランチ。

職人さんの基本はお弁当だとか
とは云え、独身貴族的な職人さんや営業さんの中には、ランチをどこで食するかを中心にその日の仕事日程を組み上げる御仁もいらっしゃるとか
それだけに、他人とは一風違うランチ情報を持っている仕事人は一級の仕事人だと言えるだろう

さて
昨日のことであったか、世はWDであった
例年の如く、プライヴェートな予定満載のワタクシであったが、ご飯は食べる
健康方々、徒歩にて極上の天麩羅屋さんへ入った

12時を少し過ぎていたか、座敷・テーブル・カウンターも一杯
唯一空いていたカウンターの一席に座り、オーダーをし、お茶を啜り、スポーツ新聞を広げる
この日の日替わりはトンカツであった
極上のトンカツである

美味しく食し、馴染み客にのみ出される食後の極上お茶を啜り、馴染み客にのみ出される食後のお絞りに指を湿らせ、またスポーツ新聞を広げる
散々満喫した後、颯爽と席を立った
何人か残っていた客がこちらを見た気配があった
そう、ワタクシはこの極上天麩羅屋さんの『馴染み』なのである
通い慣れていない方々よ、ワタクシの雰囲気に憬れるならよく見るが良い

伝票を持ってレジへ
内ポケットに手を遣り、刹那、顔が蒼ざめた
財布がない
豪快にオッフィースに忘れてきたようだ

女性スタッフさんと目が合う
絶妙のかわし文句を考えたが、口を出すより早く、察した女性スタッフさんの口が動く
「あっ、いつでも良いんですよっっ。またお近くを通った時で結構ですからっっ。」

あーー、、、そんなに大きな声ではどうぞ仰らないでおくれ



とてつもないスピードでお店を飛び出し、猛ダッシュで財布を取って踵を返し、怒涛の勢いでお店へ再度飛び込む
ほのかに他の客もいるが最早気にする余裕もない
速攻で御代を支払う
先程の女性スタッフがまた爽やかに口を開く
「あら~、本当にいつでも良かったですのに。お顔はよく覚えてますからっ。そういう方、よくいらっしゃいますよ~。ありがとうございましたっっ。」

そう、ワタクシはこの極上天麩羅屋さんの『馴染み』なのである  


Posted by 川畑哲哉 Kawabata Tetsuya at 12:07Comments(0)雑記