2010年02月16日

『金は天下の回り物-其の壱-』

あぶく銭は持たんっ」

先輩の実体験に基づき、そんな恰好良い話をしていた
気風が良くて潔いではないか
皆がそうしてこそ景気も上向くと云うものだ


解散して、駐車場へ



立体式をぐるぐる回って程よくクラっときたところで出口へ辿り着く
自動精算機にカードを入れると、料金表示は400円
割引券を入れると、料金表示が更新されて150円
生憎、10円玉も50円玉も切らしていたので、100円玉を2枚投入する
釣銭口へ落ちる小銭の音が心地良く駐車場内に響く
10円玉が5枚転がりこんできたことだろう

「どれっ」とばかりに『黄金』と通称された右手を伸ばし、釣銭口から小銭を取り出す
初めての海外旅行であったロンドンはスローンストリートのヴィトン★ショップで買った上蓋裏に『TETSUYA』と当時の日本には届いていなかったヴィトンのホットプリント技法で刻印されている黄色いエピの小銭入れに、お釣りを入れようと右掌を開いた
そこには、100円玉が5枚、燻し銀的な鈍い輝きを放って鎮座していた


どなたか、教えてくれ給え
これは『あぶく銭』なのか
  


Posted by 川畑哲哉 Kawabata Tetsuya at 23:35Comments(0)雑記